夜になると、また始まります。
布団に入っても目が冴えている。眠れないから睡眠薬を飲む。それでも眠れないからお酒を一杯、二杯。ようやくうとうとしたと思ったら、夜中の2時か3時に目が覚めて、そこからまた眠れない。
「仕方ない」と睡眠薬をもう一錠。
翌朝は頭が重くて、ぼーっとしたまま午前中が過ぎていく。それが毎日続いている——。
八尾市・近鉄八尾周辺で、眠れない・眠りが浅いとお悩みの方へ。
こういった状態の方が、当院にも少なくありません。眠れない辛さは、本人にしかわからないものです。まずはその状態を、丁寧にうかがうところから始めます。
眠れない根本の原因を取り除いているわけではありません。使い続けるうちに耐性がつき、「昨日と同じ量では効かない」という状態になっていきます。
アルコールの利尿作用で夜中に目が覚めやすくなります。薬の効果が切れるタイミングとも重なり、「夜中に目が覚める」の原因になっていることがあります。
どちらも根本原因を解決しないため、眠れない→量を増やす→眠りが浅くなる→また眠れない、というサイクルに入りやすくなります。
心臓の機能だけでなく、精神・感情・睡眠を司る臓腑。心が乱れると、夜になっても神経が落ち着かない状態が続きます。
ストレスや感情の調節、血を蓄える臓腑。強いストレスや過労で肝が疲弊すると、心に十分な栄養(血)が届かなくなります。
「肝」が疲弊して「心」への栄養が不足すると、脳や神経が夜になっても休まらず、覚醒した状態が続いてしまいます。さらに自律神経のバランスが崩れると、夜になっても交感神経(活動モード)が優位なままになり、「眠ろうとしても体が眠れない」という状態に陥ります。
当院で定期的に鍼灸治療を続けてこられた患者さんの中に、こんな変化を経験された方がいます。
最初の1〜2週間は「少し眠りが深くなった気がする」程度でした。それが、1か月、2か月と続けていくうちに、お酒を飲まなくても自然と眠れる夜が増えてきた。睡眠薬の量も、主治医と相談しながら少しずつ減らせるようになっていった。
治療を通じて自律神経の切り替えがスムーズになり、夜になると体が自然と「休む準備」に入れるようになってきたからです。
「少し眠りが深くなった気がする」程度の変化。体が整いはじめるウォームアップの時期。
お酒なしで眠れる夜が増えてくる。夜中に目が覚める頻度が落ち着いてくる。
主治医と相談しながら睡眠薬を少しずつ減らせるように。朝のぼんやり感が軽くなってくる。
不眠は、一度の治療で劇的に改善するものではありません。長年かけて崩れたバランスは、少しずつ整えていく必要があります。
まず2週間、試してみることをひとつの目安にしていただければと思います。
「薬に頼らずに眠れる夜を取り戻したい」というお気持ちがあれば、その一歩を一緒に踏み出していきましょう。
今ある症状だけではなく、睡眠のパターン・服薬状況・ストレスの出方・生活リズム・体の緊張の状態まで丁寧に確認します。
「ここに来ると、なぜか眠れる」——そんな安心感を感じていただける場所でありたいと思っています。
眠れない夜が続いているあなたへ、少しでも参考になれば幸いです。
医療機関の受診を優先していただきたい場合
強い不安や気分の落ち込みがある、ご自身を傷つけてしまいそうな気持ちがある、胸の痛み・強い動悸・息苦しさを伴う場合は、まず医療機関へご相談ください。睡眠薬を服用中の方は、自己判断で急に減らしたり中止したりせず、主治医の方針を大切にしてください。
以下は、鍼灸と不眠・睡眠の関係を扱った比較的参照しやすいPubMed掲載論文・総説です。研究によって対象・方法・評価指標にばらつきがあるため、「一定の改善効果の可能性を示すものが多い」という段階として誠実にお伝えしています。
Acupuncture for insomnia
Cheuk DK et al. — Cochrane Database of Systematic Reviews, 2012
不眠に対する鍼灸のランダム化比較試験を系統的に評価したコクランレビュー。一部の試験で睡眠の質・睡眠時間の改善が示されたが、試験の質や方法論にばらつきがあることも指摘されている。最も格式の高いエビデンス源のひとつ。
Cochrane Library で確認 →Acupuncture for primary insomnia: An updated systematic review and meta-analysis
Yin X et al. — Sleep Medicine, 2021
一次性不眠症に対する鍼灸のRCTを統合したメタ解析。Pittsburgh Sleep Quality Index(PSQI)スコアで有意な改善が認められた。偽鍼との比較でも効果が示されており、比較的信頼度の高い知見として参照しやすい。
PubMed で確認 →Comparative efficacy and acceptability of non-surgical treatments for insomnia disorder in adults: a systematic review and network meta-analysis
Muñoz-Navarro R et al. / Lancet 系列掲載
不眠に対する複数の非薬物療法(CBT-I・鍼灸・弛緩法など)をネットワークメタ解析で比較。CBT-Iが最も強いエビデンスを持ちつつ、鍼灸も補完的な選択肢として位置づけられている。
PubMed で確認 →Acupuncture for treatment of insomnia: a systematic review of randomized controlled trials
Cao H et al. — Journal of Alternative and Complementary Medicine, 2009
46のRCTを分析したレビュー。鍼灸が総睡眠時間の延長、睡眠効率の改善、覚醒回数の減少に寄与する可能性を示した。古めだが、不眠と鍼灸に関する包括的なレビューとして広く参照されている。
PubMed で確認 →Acupuncture for residual insomnia associated with major depressive disorder: a placebo- and sham-controlled randomized trial
Yeung WF et al. — Biological Psychiatry, 2011
うつ病に伴う不眠に対して、本物の鍼灸と偽鍼を比較したRCT。鍼灸群でPSQIスコアおよびポリソムノグラフィー(睡眠検査)の指標が有意に改善。睡眠の客観的評価を含む点で信頼性が高い研究。
PubMed で確認 →はい、受けられます。急な減薬・中止はおすすめしていません。まずは眠れる状態を整えるところから始め、必要に応じて医療機関と併用しながら進めます。
背景にある身体の状態が異なることが多いため、問診で丁寧にお聞きした上で、どこを整えるかを一緒に考えます。
個人差があります。数回で楽になる方もいれば、生活リズムや栄養を整えながら少しずつ変化していく方もいらっしゃいます。初診時に一緒に通院計画を立てます。
よくあるご相談です。画像検査や血液検査では捉えにくい、自律神経・栄養・生活リズムの部分から整理していきます。
毎晩の睡眠薬やお酒が手放せなくなっている
夜中に目が覚めてそこから眠れない
薬に頼らずに眠れる夜を取り戻したい
不眠は、心と体が「もう限界」と
訴えているサインでもあります。
一人で抱え込まず、まずご相談ください。
体が本来持っている「眠る力」を、もう一度引き出していきましょう。
今西健はり・灸院 大阪府八尾市堤町2-30-59
LINE ID: takeshityan
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