春なのに体が重い。それ、季節のせいかもしれません
「春になったら元気が出るはずなのに、なぜか体がだるい」「朝起きるのがつらい」「やる気が出ない」——4月から5月にかけて、こうしたお悩みでご相談に来られる方が増えます。気のせいではありません。春は体のしくみとして「だるくなりやすい季節」です。今日は、その理由と今日からできる対策をお伝えします。
春のだるさは、自律神経の「切り替え疲れ」
冬のあいだ、体は寒さから身を守るために交感神経(活動モード)が優位な状態が長く続いています。春になって気温が上がってくると、体は副交感神経(休息モード)優位へと切り替えていきます。
この切り替えは、思っている以上に体力を使う作業です。さらに春は1日の寒暖差が大きく、気圧の変動も激しい。自律神経は気温や気圧の変化に反応して働くので、春は1日のなかで何度も切り替えを迫られます。
これが続くと自律神経そのものが疲れてしまい、だるさ・眠気・頭の重さ・気分の落ち込みとして現れます。
東洋医学では「肝(かん)」がたかぶる季節
東洋医学では、春は「肝(かん)」の季節とされます。肝は、気(エネルギー)の巡りをコントロールする働きを担っています。
春は草木が伸びていくように、肝の働きも活発になりやすい時期。ところが現代の生活はスマホやPCで目を酷使し、ストレスも多い。もともと使われすぎている肝が、春になるとさらに高ぶりやすくなります。
肝が高ぶると、気の巡りが滞り、こんなサインが出てきます。
- なんとなくだるい、重い
- イライラしやすい
- 寝つきが悪い、夢が多い
- 目の疲れや肩こりが強くなる
- お腹が張る、ガスが多い
「春は肝を労る季節」と言われるのは、こうした理由があります。
環境ストレスと生活リズムの乱れも重なる
4月は新年度。職場や家庭で環境が変わったり、お子さんの新学期で生活リズムが変わったりする方も多い時期です。
「自分は変わっていないから関係ない」と思っていても、家族や周囲の変化は確実にご自身の体にも影響します。これに花粉症が加わると夜の睡眠の質が下がり、回復が追いつかなくなる。
春のだるさは、ひとつの原因ではなく「いくつかの要因が重なって起こる」もの。そう知っておくだけで対処の見通しが立ちます。
今日からできるセルフケア4つ
ご自宅でできる対策をお伝えします。すべて取り入れる必要はありません。「これなら続けられそう」というものを1つか2つ選んでみてください。
-
1朝の光を5分浴びる
朝起きたらカーテンを開けて、窓辺で5分ほど光を浴びる。難しい日はベランダや玄関先でも構いません。朝の光は体内時計をリセットし、夜の眠りの質を整えてくれます。自律神経の切り替えを助ける、もっとも基本のケアです。
-
238〜40度のお湯に15分つかる
シャワーだけで済ませている方は、ぜひ湯船に。ぬるめのお湯に15分ほどつかると副交感神経が優位になりやすくなります。寝る90分前までに済ませておくと、自然な眠気が訪れます。余裕があればエプソムソルト(硫酸マグネシウム)を入れると、筋肉の緊張もゆるみます。
-
31日5分の深呼吸
鼻から4秒吸って、口から8秒かけて吐く。これを5分続けるだけで副交感神経が働きやすくなります。電車のなか、寝る前、仕事の合間、いつでもできるのが利点です。
-
4旬の食材を意識して食べる
春の旬の食材には、冬にためこんだものを排出する働きがあります。菜の花・春キャベツ・たけのこ・ふきのとう。あわせて梅・お酢・柑橘などの酸味のあるものも肝を助けてくれます。反対に、油もの・甘いもの・冷たいものを取りすぎるとだるさが強くなりやすいので、量は控えめに。
2週間続けても変わらないときは
セルフケアは、続けて初めて効果が出てきます。まずは2週間、ひとつでよいので続けてみてください。
それでも、
- 朝起きるのがつらい状態が変わらない
- 夜眠れない、眠りが浅い
- 気持ちの落ち込みが続く
- 頭痛・めまい・動悸をともなう
こうしたサインが残るときは、自律神経そのものがかなり疲れている可能性があります。セルフケアだけで持ち直すのは難しい段階です。
今西健はり・灸院でできること
当院では、初診に約90分かけて丁寧に問診をします。だるさの出ているところだけでなく、生活習慣・睡眠・食事・運動・呼吸・姿勢まで含めて体全体を見させていただきます。
鍼灸でアプローチするのは、自律神経そのもの(首・背中・お腹のツボ)と、東洋医学でいう「肝」の経絡。あわせて、その方の体の使い方や呼吸の癖もみていきます。必要に応じて、ご自宅での運動や食事のアドバイスもさせていただきます。
「病院に行くほどではない」「検査では異常がない」と言われた方こそ、一度ご相談ください。だるさは、体からの「ちょっと立ち止まって」というサインです。
まとめ
- 春のだるさは、自律神経の切り替え疲れ+肝の高ぶり+環境変化が重なって起こる
- 気のせいではなく、体のしくみとしてだるくなりやすい季節
- 朝の光、入浴、深呼吸、旬の食材、できることから1つずつ
- 2週間続けても変わらないときは、ご相談ください